御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
そこには、先ほど私がショッピングモールで見つけたしずくモチーフのダイヤのネックレスが零れんばかりの輝きを放っていた。

「誕生日のプレゼントだ。さっき欲しそうに見てただろ?」

確かに欲しいと思ったけれど、完全に予算オーバーで値札に記されていた数十万という価格に諦めざるを得なかった。

蓮さん、あのときから私のこと見てたんだ。

「で、でも……これ、すごく高価な物ですよね? とてもじゃないけど、そんな私の誕生日ごときでポンと買えるようなものじゃ……」

「君が喜んでくれればそれでいい。貸して」

蓮さんが箱からネックレスを掬うと、私の首に手を回してそれを着けてくれた。プラチナが素肌にひやりとして、その輝きが私を包み込む。一気に気分が華やかになったような気がして赤くなった私の頬に蓮さんが口づけた。

「似合ってる。いいな、それ」

「蓮さん、私を甘やかしすぎですよ……」

「ああ、思う存分甘えてくれ。なんせ、君を甘やかすことが俺の唯一の楽しみみたいなものだからな」

こんなステキな人が私の旦那様になるなんて、いいの? なんだか自分にはもったいないくらいで少し怖い。

「寒いか?」

無意識に両腕を抱き込んでいて、それを見た蓮さんが心配そうに私を覗き込む。

「いえ……。ただ、こんなに幸せでいいのかな、って」

「俺が君を幸せにするんだから、いいに決まってるだろ? 身体が冷えてるな、風呂に行くか」

バスルームは寝室を出て玄関に向かう途中の廊下の角にある。けれど、蓮さんはニッと唇を左右に伸ばし、意味深に人差し指を上に向けた――。

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