御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
向かい合わせになって、自らその太い首に腕を回すと貪るようなキスで彼に応えた。

蓮さんの熱がもっと欲しい。欲しくてたまらない。

呆れるぐらい、同じ言葉が頭の中を渦巻く。

「ふぅん、君って意外と大胆なところあるよな」

「え?」

「いつも照れ屋の君がこんなにも情熱的に誘ってくれるなんて、な」

胸や腕など、目につくところにキスを繰り返す蓮さんの首にしがみつくようにする。

「……誘ってますよ。今は、蓮さんが欲しくておかしくなりそうなんです」

いつもの私なら、こんな恥ずかしいセリフ絶対言わない。それなのに……。

「春海、愛してるよ」

あぁ、ほら、またそういうこと言われたら……頭がおかしくなりそうになる。

「蓮さん、私も愛してます」

「もう一回」

「大好きです。愛してます」

催促されなくても何度でも言える。「愛してる」もう一度そう呟くと、たまらず蓮さんから再び大量のキスの雨が降ってきた。

こそばゆくて気持ちいい。自分に優しく微笑んでくれる笑みが嬉しい。欲しい気持ちが高まって、くすぐったいです。と言おうとしたのに、目があったら自分から口づけていた。

「好きです」

愛してる、と熱に浮かされたみたいに囁きながら、愛おしい彼の唇を啄む。

洋司さんと付き合っているとき、私はこんなふうにならなかった。蓮さんと出会い、愛を注がれて自分の中に潜んでいた情欲が、一気に目覚めたみたいだ――。
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