14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

(またカレー作ったのかよ。3日前もカレーだったじゃん。ちょっと褒めるとすぐ、調子に乗って同じのばかり作るんだな。バカかよ)

 その声は優愛の心の声だった。

 表向きは

(わーい! カレーだ! )

 と、喜んでいた優愛だが。
 家族が愛人を褒めると決まって肚の声は違っていた。

(カレーばかりじゃ栄養偏りそうね。仕方ないかな)
 
 と、母の麗美も肚では思っていた。


 積極的に家の手伝いをしていた愛人だったが。


(あら、愛人有難う。洗濯ものたたんでくれたのね、助かるわ)

 と麗美が誉めると。

(チェッ、点数稼ぎしやがってさぁ)

 と、優愛の肚の声が聞こえてきた事もあった。


(たたんでくれたら、タオルくらい洗面所に置いてくれたらいいのだけど)

 と麗美の本音が聞こえてきた事もあった。


 カレーばかりじゃダメなんだと思った愛人は、姉の麗香に他の料理も教えてもらいハンバーグを作ったり魚を焼いたりしたこともあった。

 だが…

(ゲッ。なんだこれ? 焦げすぎじゃん、このハンバーグ)

 と優愛の文句の意声が聞こえてきて。

(こんな固いハンバーグ食べれないわね)

 と、麗美の肚の声が聞こえてきて。


(ハンバーグだけ? 他にはないのか? )

 と、萌の肚の声も聞こえてきた。



 そんな事が度々あり、自分が頑張ってもみんな上辺だけで心では不満ばかりなんだと感じた愛人は次第に手伝いもしなくなった。


 すると。

(手伝いもしなくなったのね愛人。ただの気まぐれだったのかしら? )

 と麗美の肚の声が聞こえ。

(とうとう点数稼ぎ辞めたのか。次はなにしてくるんだろう? )

 と優愛の肚の声が聞こえてきた。
< 34 / 98 >

この作品をシェア

pagetop