14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「竜夜お帰り。ちょうどよかった、紹介したい人がいるんだ」
ん? と愛人を見た竜夜。
「もしかして…お母さん? 」
「え? 」
「お母さんが来ているんでしょう? 」
竜夜は嬉しそうに笑って、寝室へ向かった。
ガチャッと、元気よく寝室のドアを開けて竜夜がリラのものとにやって来た。
「あ…やっぱりそうだ! 」
喜びの声を上げて、竜夜はリラに飛びついた。
「会いたかった! 来てくれてんだね、お母さん」
飛びついてきた竜夜を間近で見たリラは、感動のあまり目を潤ませた。
「あ…ごめんね、まだお母さんって呼んだらお父さんびっくりするよね。お姉ちゃんって、呼ぶね」
「あ…そうね…」
潤んだ目で竜夜を見ていたリラが、そっと頭を撫でると。
竜夜は満面笑みを向かべた。
2人が笑い合っていると、愛人がやって来た。
ギュッとリラにしがみついて、満面の笑みを浮かべている竜夜を見て愛人は意外そうな目を向けた。
「お父さん、お姉ちゃんここにいるの? 」
「あ、ああ…2週間だが」
「え? 2週間? そんな少ないの?」
「とりあえずな」
「うーん」
ちょっと納得していない竜夜。
「まぁいいや。あ! 今日の夕飯は、僕が作るね。お姉ちゃん、お熱出たの? 」
「ええ、でももう下がったから平気よ」
「じゃあ、まだたくさんは食べれないね。僕が、お粥作るね」
よし! と、張り切ってブイサインを出して竜夜は寝室を出て行った。
そんな竜夜を見て愛人はフッと笑った。
「竜夜の奴、嬉しそうでよかった。ずっと、母親がいなくて寂しい思い、させていると思っていたのだが」
「とっても素直で明るい子ですね。…きっと、副社長の子供の頃も明るくて素直な子だったのだと思いますよ」
ん?
そうだったか?
愛人は自分の子供の頃の事を思い出してみた。
愛人は子供の頃から人見知りをしない明るい子だった。
誰とでも仲良くなり楽しく遊んでいることが多くて、年の離れた兄の鷹人とよくご飯を作って家族みんなに喜んでもらう事が嬉しかった。
いつからそれが楽しくないと感じたのか…。