14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

「これは、僕のお母さんが、僕が産まれ間もないときに。お爺ちゃんとお婆ちゃんと一緒に、僕の事をお祝いしてくれた時だよ。おばちゃんの記憶には、ないよね。僕が産まれて、お祝いしてくれた事なんて」

 茂代は信じられない顔をしている…。
 だがこれは紛れもない事。

 だんだんと、茂代は自分がしてきた事の重大さが身に染みてきた…。


「…私も…子供を産みたかった…。そして、幸せな結婚がしたかった…。でもできなかった…」

 スッと茂代の頬に涙が伝った…。


「副社長の事。本当に好きだったの…随分年下だし、シレっとしてて近づくことを許してくれない人だけど。どこか、可愛そうな感じがしていた…。私が好きになった人は、みんなすぐに離れて行き、口では愛していると言いながら他の女に乗り換えたり。愛しているふりをしながら、別の女と平気で浮気している人ばかりだった。…私の父と母もそうだった。…夫婦のふりをして、表向きは仲良し夫婦を演じていて。裏ではお互いが不倫をしていた…。だから、父と母のような人には絶対になりたくないって、そう思って生きてきたわ…。だからどうしても、私はセレブになりたかった。お金さえあれば、世の中は大抵の事は上手に乗り越えて行けるの。…だから、やっと見つけた人だからどうしても…自分のものにしたかった…。…あの祝賀会の時。副社長の飲み物に、睡眠薬を入れて既成事実を作り上げたのに…」


 悲痛な茂代の叫び…
 それは幸せを望んでも手に入らなかった悲しい嘆きに聞こえた。

 恐らく小さな頃から、両親の姿を見ていた茂代は大人は平気で嘘をつくと思い込んでいた。 
 そして、幸せになるにはお金持ちにならなければならないと思い込んでいたのだろう…。
 本当の幸せを知らない故に作られた世界。
 そんな世界を見ていた茂代が、あがいて手に入れようとした事だったが。
 
 結局は何も上手くいかなかったのだろう…。


「8年前…。確かに、赤ちゃんを誘拐したのは私よ…。でも、怖くなって捨てちゃったの」

 夜空を見上げて、フッっと一息ついた茂代はつきものが落ちた顔をしていた…。
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