14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「誘拐した子を、副社長の子供だって言って。結婚を迫ろうと、オフィスビルの下で待っていたの。でもね、夜遅くになって赤ちゃんが泣きだしてしまって…オムツを変えても、ミルクをあげても泣き止まなかったの。…どうしたらいいのか、さっぱり解らなかったわ…。当然よね、自分が産んだ子供じゃないんだもの。何も繋がっていない子の気持ちなんて、判るはずないって痛感したわ。…それで怖くなって、時計台の所に置いて逃げたの…。まさかその後に、副社長が見つけていたなんて想像もしていなかったけどね…」
夜空を見上げて痛い笑みを浮かべた茂代…。
「私の負けね。…もう、8年前から負けいたんだわ…きっと…」
ゆっくりと、リラを見た茂代はそっと笑った…。
「あんたはすごいわね、8年も長い年月諦めなかったのね。…あんたの話が本当がどうか、そんな事どうでもいいけど。…もし、本当なら…これからもあきらめないでよ…。せっかく会えたんでしょう? ずっと好きな人に…」
何も言えず、リラはスッと視線を落とした。
「きっと両想いだと思うけどね。…悔しいけど、あんたが来てから副社長が随分と優しくなったってみんな言っているもん。今まで、あんまり喋らなかった人なのに挨拶もしてくれるようになったったってみんな喜んでいる。私が傍にいても、そんな風にはならないだろうから」
鞄から母子手帳を取り出した茂代は、そっとリラに渡した。
「これね。私が、複数の男と関係をもって授かった子供だったの。でもね、6ヶ月になる頃にお腹の中で死産してしまったの。産まれて来なくて正解よね、こんな母親じゃ幸せになれないもの。…竜夜君を誘拐した日は、ちょうど死産した子を取り出してもらって退院した時だったわ。失望感しかなかったのに、竜夜君を見たら生き返ったようでそれで誘拐を思いついたのよ。…この手帳を手放さなかったのは、ちょっと脅しの手段に使えると思って、とっておいたものだけどあんたにあげるわ。何かの役に立つかもしれないしね」
リラは素直に母子手帳を受け取った。
「あんた、よく見ると竜夜君にそっくりね。今まで気づかなかったけど…。私の見る目がなかっただけかな」
そう言って笑った茂代は、とても穏やかな顔をしていた。
何もかもが吹っ切れた…そんな表情をしていた。
「安心して。今聞いたことは誰にも話したりしないわ。そして、二度と邪魔しないから」
「これかどうする気ですか? 」
「そうね。先ずは自首するわ、男使って人を殺そうとした事。そして、偽造メールを仕立て上げて会社の業務を妨害した事かな? その後は…自由になれたら。どこか知らない場所に行って、やり直すつもり。結婚も恋愛もできなくても、私なりの幸せがつかめたらそれでいいような気がするの」
「そうですか…」
「じゃあね、ちょっと理不尽だけど。あんたの幸せ祈っているから…」
「おばちゃん。最後に1つだけ僕から言うけど」
ん? と、茂代は竜夜を見た。