14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

 ぼんやりしていた視界に、ハッキリとリラの姿が見えると愛人の目が潤んできた…。


「お前…」

 立ち上がった愛人は、リラに駆け寄ってきてギュッと抱きしめた。

「どこ行っていたんだ! こんな夜中に! 」

 怒るわけでもなく、愛人はギュッとリラを抱きしめるだけだった…。


「…ごめんなさい…」

 小さく謝ったリラ…。

「…また…会えなくなるのかと思ったじゃないか…」

 え? 
 驚いたリラだが、愛人の優しい声が辛くて顔を上げる事はできなかった…。


「夢で終わらせるなよ…。俺が心から愛した人は…あんただけだから…」


 そっと体を離して見つめる愛人の目が涙ぐんでいた。
 その目を見るとリラの目も潤んできた…。


「…ずっと…俺の未来には闇しかないって思っていた。…そんな時に出会ったのが、あんただった…。夢だってずっと思っていた…。あの結ばれた事も夢なんだって…そう思っていたが…。夢じゃなかった。あれは現実だったんだって、確信した…」
「なに…言っているんですか? …」

「あんたの本当の名前は、ベルリラ。そうだろう? 」
「ち…」

 違います。
 そう言いきりたかったリラだが、言葉にならなくて…。

 そのまま俯いてしまった。

「8年前に。俺が初めて抱いた人は、ベルリラと言う女性だった。何度も会っているのに、初めてその日に名前を教えてくれた。…気持ちが抑えられなくて、俺が求めてしまった…。目が覚めたら、夢だったかのようで。いつも通りベッドで寝ていたから、夢だったと思い込んでいた。…でも…あんたが秘書として来た日から、ずっと…俺のハートが喜んでいる…。だから、いつも秘書がいらないって言っていたけど。強引にでも、あんたを秘書につけたんだ。ずっと一緒にいたくて…」

「…私…」


 何か言わなくては…
 そう思うリラだが、言葉にすると何かが違うようで…。
 何か言おうとすると涙が溢れそうで、何も言えなくなってしまった。


「この前、繋がったとき確信できたんだ。あんたの中に、竜夜のエネルギーを感じた。ずっと、大切に守ってくれていたんだって確信した。…だから…もういなくなったりしないでくれ。俺…あんたが何者だって構わない。一緒にいられれば、それでいいから」

「…私…私…。地球の人間じゃありません…だから…」

「それでもいい。一緒にいて欲しい…」

 胸がいっぱいになり、リラは泣き出してしまった。
 そんなリラを、そっと抱きしめた愛人。

「答えはすぐにいらない。この契約結婚が終わるまでに、返事を出してくれればいいから」

 この人は…どれだけ優しい人なんだろう…。
 
 何も言えなくなり、リラは愛人の胸に中で泣いていた…。



 

 しばらくして落ち着いてから、寝室に戻り眠った愛人とリラ。
 特別な言葉を交わす事もなく、何も言わなくてもお互いの気持ちが通じ合う…。



 そのまま朝までぐっすり眠った愛人とリラ。


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