極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
その中でうちの事務所を選び、かつその中で一番目立たない、地味な私をなぜ、彼は選んだのだろう。
かりそめとはいえ一年も一緒に暮らすのだ、美人の方がよかろうに。

「オマエがとびきり平凡な顔で、目立たないからだ」

「……」

自分で思っていても、人から言われると傷つく。
しかし彼は気にすることなく話を続けた。

「よくできた嫁だと別れさせないために、きっといろいろしてくるだろ?
そういうのは回避したい。
目立たない人間なら、そういえば嫁がいたな……くらいで気に留められないからな。
もっとも、俺にいわせれば、女性は全員美しいから関係ないが」

いかにも名案だとばかりに彼は笑っているが、そうやって雇いたい人間の傷口をぐさぐさ抉ってくるのは、感心しない。

「……少し、考えさせてください」

こんな話、私にはお金しかメリットがなさそうなのに、簡単に乗れるわけがない。
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