極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「古渡さんは私の、どこがいいんですか」

彼が、私を好きだという気持ちには気づいている。
だからいつも、私を喜ばせようと必死なのも。
けれど私には、彼がそこまで私に執着する理由がわからない。

「全部だな。
上げていたらキリがない。
初めて会ったとき、俺に媚を売ってこない時点で気に入った。
俺の妻になっても態度が変わらないのがトドメだったな。
……なんだ、俺の気持ちを疑っていたのか。
まあ、疑われても仕方ないけどな」

ふわっ、と優しく笑い、彼の手が私の頬の髪を軽く払って離れる。
眼鏡の下で目尻を下げ、幸せそうなその表情に。

――心臓が甘く、とくんと鼓動した。

「あ、疑ってたとか、そんな」

熱い顔を誤魔化すようにマドレーヌに噛みつく。
どきどきと速い心臓の鼓動は、まるでシフォンケーキの上にでもいるかのようにふわふわさせた。

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