極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
古渡社長のオススメだから、なんて人がちらほらいた。

「落ち着くまではしばらく、忙しそうです」

「無理はするなよ。
じゃ、邪魔にならないように俺は帰る」

ひらひらと手を振りながら去っていく、彼の背中へあたまを下げる。
恵まれていると思う、尊敬するパティシエと働けて、店の滑り出しも上々。
こんな契約結婚生活、本当にいいのかな。



店もオープンして一週間もたつと、徐々に落ち着いてきた。
毎日、白井さんの助手をしながらお菓子作りを学ぶ。
充実した日々を送りながら、古渡さんとの関係については考えないようにした。
きっと、考えたところで答えは出ないから。



「……」

寝返りを打って目を開けると、古渡さんの顔が見えた。
まもなくコン、コン、とドアがノックされ、盛実さんから声をかけられるのもいつものこと。

「今日もここで寝ていますよ」

「失礼いたします」

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