極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
入ってきた盛実さんと入れ違いで洗面所へ向かう。
古渡さんと夫婦になって二ヶ月半、一緒に暮らしはじめて約二ヶ月。
もう、当たり前になってしまった朝の風景だ。

「澪音、今日は休みだろ。
映画でも観にいこう。
盛実、澪音の口座に……」

「それはもう、いいので」

盛実さんが実行する前に、止める。

「でもそれだと、澪音は契約外で俺と映画を観にいってくれない」

きっと、犬耳がついていたらぺっしゃんこに潰れていただろうな、って感じでみるみる古渡さんが萎んでいく。

「そんなことしなくても、これからは映画くらい付き合ってあげます」

「本当か!?」

あんなに落ち込んでいたのが嘘みたいに、彼の顔がぱーっと輝いた。

「はい」

ああ、よっぽど嬉しいんだろうな。
笑顔から収まりきれなかった嬉しいが、ぽろぽろこぼれ落ちている。

「とうとう、澪音も俺に惚れ……」

「それはないので」

< 107 / 178 >

この作品をシェア

pagetop