極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
ぴしゃっと否定した途端、穴のあいた風船のようにあっというまにまた、彼が萎んでいった。
なんだかそれがおかしくて、ついくすりと笑ってしまう。

「古渡さんのことは好きですが」

「本当か!?」

「でも」

「……」

弄んでいる気は全くないのだが、私の言葉で一喜一憂してくるくる表情を変える彼が、だんだん可哀想になってきた。

「友達くらいには思っています。
友達と一緒に映画に行くのに、お金を取ったりしないでしょう?
そういうことです」

「……そうか」

期待が大きすぎた反動か、古渡さんは完全にいじけて、クロワッサンを指先くらいにちぎってもそもそと食べている。
おかげで、テーブルの上が大惨事になっていた。

「あー……。
でも、男性の友達は古渡さんだけなので」

これはフォローになるのか、なんて思ったものの。

「……なら、いい」

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