極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
もしかして彼は、女性と見れば口説かずにおれない人間なんだろうか。

「私はいいですが、後ろからこわーいお姉さんが睨んでいますよ」

こそっと外を見たら、肩にのった古渡氏の手を森下さんが、汚いものでも扱うかのようにそっとどけていた。

「古渡!
貴様という奴は女優だけじゃなく事務員にも手を出すのか!」

詰め寄った所長が、彼の胸ぐらを掴む。
彼は小さく両手を上げて、降参のポーズを取った。

「相変わらずこえぇな。
そんなんだからモテないんだぞ、澄美(きよみ)

古渡氏の顔が所長の顔に近づき……ちゅっ、と唇が触れる。

「……こーわーたーりー」

所長の身体が、ぶるぶると小さく震えだしたと思ったら。

「貴様!
今日という今日こそ、叩っ切ってくれる!」

森下さんの机の上にあった50センチ定規を掴み、所長が大きく振りかぶる。

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