極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
応接室の前に立ち、一度、深呼吸をする。
――コン、コン。
「はい」
すぐに中から、所長の声が返ってきた。
「染宮です」
「入れ」
「失礼します」
ドアを開けた中には前回と同じで美男美女が向かいあって座っており、相変わらず圧が凄い。
「今日はもちろん、返事がもらえるんだろうな」
所長の隣に座った私へ、古渡氏がにっこりと笑いかけた。
「ええ。
私は貴方と、結婚します」
「それは上々」
それだけ言い、彼は湯飲みを口に運んだ。
「じゃあ、染宮。
契約ということでいいんだな?」
「はい」
確認する所長へ、頷き返す。
それを見て彼女は、あきらかにほっとした顔をした。
そのあとは契約内容を再確認し、書類へサインをする。
この一週間、この契約のことを何度も考えた。