極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
古渡さんの抗議で、所長の口から大きなため息が落ちていった。

「悪いが染宮、その程度は我慢してくれ。
できないならいま結んだ契約、なかったことにする」

きっと所長としては最大限の気遣いをしてくれているんだと思う。
それに身体に触れられるのはいい気はしないが、お金のためだと思えば我慢できる。

「大丈夫です、これくらい」

「すまんな。
が、貞操の危機のときは容赦なく、その股間を握りつぶしてやっていいからな!」

所長が本気で握りつぶすかのようにぎゅーっと握り拳を作る。
本当にあれをされたらかなり痛そうで、その痛みを知らない私ですら震えた。

「おお、こえぇー」

しかしながら当の古渡さんはへらへらと笑っている。
この人の感覚って、どうなっているんだろう?



その翌週末は古渡のご両親に挨拶へ行った。

「緊張しているのか」

「そりゃ、まあ」

今日の私は上品なパステルのスーツ姿だ。
< 24 / 178 >

この作品をシェア

pagetop