極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
服が! とか慌てるよりも先に、古渡さんから支給された。
しかも、サイズピッタリなのが恐ろしい。

「古渡さんのご両親って、どこに住んでるんですか」

朝、ボロい、私の住んでいるアパートの前に停まったのは、不釣り合いなクーペタイプの、グレーメタリックな外車だった。
フィンランド製のこの車は本来、コンセプトカーで、市場には出回っていないんだと、古渡さんは最初にこれに乗ったときに自慢をしていた。
私は乗り降りしにくくてあまり好きじゃないけど。
その車はいま、高速を走っている。

「……古渡さん」

私の問いには答えず、彼は不機嫌にぼそっと一言落とした。

「結婚するほどの仲だというのに、古渡さんはないんじゃないか」

「それは……」

そうかもしれない。
彼の両親に会うのだ、不自然に思われるだろうか。

「いや、待てよ。
それはそれで澪音の奥ゆかしさを表すようで、ありか……」

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