極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
小さな雑居ビルの階段を上り二階に、私の所属する事務所はある。
もちろん、代理俳優だけじゃなく本物の俳優もいるが、ほとんどがかろうじてテレビに映れる下っ端だ。
いつか、世界に通用する大物俳優を! なんて所長は息巻いているが、私は全く関心がない。
ただ、ここは安心安全、アットホームだからってだけで所属していた。
代理俳優を糧に本物の俳優に、と励んでいる人がいる一方で、私はお金のためだけにこの仕事をやっている。
「こんにちはー」
「こんにちは、染宮さん。
結婚式の帰り?」
事務所では事務の森下さんが私に気づき、小さく笑った。
「そーなんですよー。
これ、引き出物です。
よろしかったら皆さんでどーぞ」
「あら、いいの?
じゃあ、遠慮なく。
……所長がお待ちかねよ」
彼女がちょいちょい、と指さした先は、応接室だった。
もちろん、代理俳優だけじゃなく本物の俳優もいるが、ほとんどがかろうじてテレビに映れる下っ端だ。
いつか、世界に通用する大物俳優を! なんて所長は息巻いているが、私は全く関心がない。
ただ、ここは安心安全、アットホームだからってだけで所属していた。
代理俳優を糧に本物の俳優に、と励んでいる人がいる一方で、私はお金のためだけにこの仕事をやっている。
「こんにちはー」
「こんにちは、染宮さん。
結婚式の帰り?」
事務所では事務の森下さんが私に気づき、小さく笑った。
「そーなんですよー。
これ、引き出物です。
よろしかったら皆さんでどーぞ」
「あら、いいの?
じゃあ、遠慮なく。
……所長がお待ちかねよ」
彼女がちょいちょい、と指さした先は、応接室だった。