極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
気がついたときには彼の腕の中に収まっていた。

「澪音はつらい思い、したんだもんな」

押しのけようとしたけれど、やめた。
彼はただ、私に同情しているだけだから。

「ちゃんと無事に、元気で帰ってくる。
約束するから心配しなくていい」

「はい」

「ところでこれは、契約違反だって言わないんだな」

「セーフにしておきます」

私の顔を見て、古渡さんがふふっと笑う。
なんだかそれは、幸せそうだった。

「じゃあ、いってくる」

「いってらっしゃい」

手を振る彼に笑顔で手を振り返すのは、いかにも新婚っぽいな、なんて思っていた。

古渡さんが出ていってすぐに業者が到着し、私の荷物が運び込まれる。
本当はもっと早く、古渡さんが私のアパートを知った時点で引っ越しさせられそうになった。

『こんなセキュリティがばがばのところに住んでいたら、いつ襲われてもおかしくないだろうが!』

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