極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「なんでだ?
俺が澪音にプレゼントしたいだけだから、問題ないだろ」

一気に、古渡さんが不機嫌になっていく。
しかしながら。

「必要のないものは契約外です。
いただくわけにはいきません」

「あー、もうー」

がしがしと後ろあたまを掻いたかと思ったら、バン、と彼は勢いよく私の肩を掴んだ。

「わかった!
これはこの間、ラウンジで嫌な思いをさせたのに耐えてくれた特別報酬だ!
それでいいだろ!」

レンズの向こうからは、それで納得だろ?
納得しろ、納得しないならただじゃおかないぞ、ごらぁっ!
って目で彼が見ていて、たじろいだ。

「うっ。
……わ、わかりましたよ」

「よし!」

大仰に彼は頷き、私から手を離した。

「まあ、澪音のそんなところが好きなんだけどな」

などと言いながらコーヒーを飲んでいる古渡さんの、眼鏡の弦のかかる耳が僅かに赤いのに気づいてしまった。
これは彼の本音?
でも、なんで?

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