極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
コンプレックスだった、赤いカーネーション。
いまではそこまでないけれど、それでも母の日絡みは複雑だ。

「澪音……」

手が伸びてきて、するりと私のあたまを撫でる。

「澪音はたくさん、苦労してきたもんな」

「そんなことはないです。
きっと、父の方がもっと、何倍も苦労してきたはずだから」

だから、家を出た。
再婚した父には、新しい家庭で幸せになってほしくて。

「本当に澪音は優しいな。
そうだ、今年は赤のカーネーションを渡す相手がいるだろう?
日曜、渡しに行こう」

園原さんの手からカーネーションを奪い、花束にして彼が差しだしてくる。

「そうですね」

妙に真面目な彼がおかしくて、つい吹き出していた。



日曜は古渡さんの運転で古渡の実家へ向かう。

「まあ、よく来たわね」

今日は玄関まで、お義母さんが出迎えに来てくれた。

「あ、あの。
今日は母の日なので、これを」

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