極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
と目の前のオフィスビルに連れ出され、ここは澪音の店だ、とかいきなり言われてよ?
喜べますか?
私は喜べません。

「オープンは来週になる。
連休にあわせたかったんだが、さすがに工事が間に合わなかった」

少し前に息抜きでお茶しに来たとき、空き店舗になっていた場所が工事中になっていて、なにができるんだろ、とは思ったよ?
それがまさか、自分の店だなんて思いもしない。

「スタッフはすでに面接して決定済みだから心配しなくていい」

中へ私を案内しながらさも当然のように言っているが、仮にも私の店ですよね?
私に決定権……どころか面接すらさせてくれないんですか。

「驚いたか?」

褒めて、褒めて、って顔で古渡さんは私を見ているけれど。

「ええ……。
驚きました」

「そうか!」

ぱーっと彼の顔が輝いていく。
ええ、驚きましたけど?
嬉しいとは全く別のベクトルで。

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