極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
しばらくは週末ごとに彼の店に通い、お菓子作りを教えて……というよりも、邪魔をしていたんじゃないかと思う。
だって、保育園の頃の話だから。
でも、彼は、僕の小さなお弟子さんだよ、と笑っていた。

「そうだね。
店は弟子に譲ったし、田舎に引っ込んで悠々自適の生活を……とか思ってたら、彼が」

ニヤッ、とドヤ顔で古渡さんが右の口端を持ち上げる。
私が小学生にあがった頃、白井さんは都心の一等地に彼の理想を詰め込んだ店をかまえ、それ以来、距離もあるので疎遠になっていた。
それが、こんな形で再会できるなんて。

「これからは澪音ちゃんの助手として、頑張らせていただくよ」

なんの屈託もなく、彼は笑っているけれど。

「いえいえ、私の助手なんてそんな、恐れ多い。
私の方こそおじさまの下で働かせていただいて、学ばせていただきます」

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