大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
それからは終始和やかに話が進み、二時間ほどの滞在でお暇した。


「緊張しなくてもよかっただろう?」


帰りの車の中で敏正さんは頬を緩める。


「はい。本当に素敵なご両親で。私、敏正さんに精いっぱいお仕えします」

「そんな堅苦しく考えなくてもいいよ。今まで通りで十分だ。週末にでも三谷家にお邪魔しよう。こちらは、少し厳しい話をするかもしれないが、耐えてくれるか?」

「もちろんです」


敏正さんはそもそも三谷家と三谷商店のために、私との結婚を選んだのだ。その彼がする行為に耐えるもなにもない。


「うん」


彼は満足そうに微笑み、私にうなずいてみせた。



三谷家に向かったのは、その週の日曜日。
女衒について家を出てから二十日ほど経過していた。


「姉さま」


貫一が駆け寄ってきて私に抱きついてきた。
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