大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
気持ちそのままに少々大きな声が出てしまい慌てて口を押さえると、彼は「元気だな」と肩を震わせている。


「申し訳ありません」

「いや。郁子の笑顔を見ると俺も元気が出る。さて、どれがいいか選んでくれ」


さりげなく私の腰を抱いて足を進める敏正さんは、とても楽しそうに微笑んだ。

美しい模様が施された江戸切子のガラス製の皿を熱心に見ていると、敏正さんが一式そろえてくれた。

ハイカラすぎるそれは使用するのがもったいないような気もするけれど、彼と一緒に使えると思うと心が躍る。

他にも伊万里焼の器を多数そろえて配達を頼んだあと、次は峰岸織物に向かった。


「もしかして、そろえていただいたお着物も峰岸織物のものですか?」


彼が私にあつらえてくれた着物はかなりの数があるが、どれも上質で色鮮やかなものばかり。
ひと目で高級品だとわかる。


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