大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
意外な理由に頬が緩む。
それにしても、仕事でいつも大変な局面を切り抜けているから、あれだけの参列者を前にしても動じないのかしら。
終始、堂々としたたたずまいで、見事のひと言だったし。
「きれいだったよ」
彼はとびきり優しい声でささやくと、すぐに部屋を出ていった。
「きれい……」
敏正さんに褒められるとむずがゆくてたまらない。
女中に手伝ってもらい髪を下ろしたあとは、長襦袢姿でふかふかのベッドに横たわった。
重い着物を脱いだおかげか先ほどよりは体調が上向いている。
けれどもやはり睡眠不足には抗えず、次第にまぶたが下りてきた。
「はっ……」
ふと目を覚ますと、辺りが暗くなっている。
体温を感じて隣を見ると、敏正さんが私にぴったりくっつくようにしてスースー寝息を立てていて驚いた。
「え……」