大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「帰りたいです」
「そうだね。俺もそうしたい。車を用意させるよ。ちょっと待ってて」


彼はなんでもない様子でベッドを下りて部屋を出ていった。


「びっくりした」


まさか隣で眠っているとは。
でも、結婚したのだから当然なのか……。

少し唇に触れられただけでこんなに胸が高鳴っていて、これから大丈夫かしら。

そんなことを考えながら、置かれてあった着物に着替えて彼を待った。


津田のご両親にお礼を述べてから自動車に乗り込む。

着流し姿の敏正さんは終始私を気遣い、隣に座ったあとも、腰を抱いてきて私の頭を自分の肩に寄り添わせた。

それがとんでもなく恥ずかしかったけれど、ゆっくり髪を撫でられる感覚がなんとも心地いい。


「なにも食べていないから腹が減っただろう? なにか食べてから帰るか?」

「敏正さんも空腹ですか?」

「俺はそこそこ食べられたから大丈夫だよ」


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