大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「え……」


つまり、女遊びを覚えたということ?

吉原に売られそうになった私としては、とても笑って受け流せない。


「それを知ってから、肌を重ねるのも嫌になって、今では別の部屋で眠っているわ。子をもうけて幸せに暮らしたかったのに、もう無理かも」


まさかそんな事態に陥っているとは知らなかった。


「旦那さま、ひどいわ」

「そうでしょう? 何度も行かないでくださいと止めたんだけど、接待で仕方がないと言うの」


接待?

私はふと吉原で出会ったときの敏正さんを思い出していた。


接待で訪れただけで女は買っていないと一橋さんが話していたけれど、本当なの?

一橋さんの話を完全に信じ込んでいた私は、頭を殴られた思いだった。


「本当に接待ではないの?」


動揺で声が小さくなる。


「違うわ。しょっちゅう朝まで帰ってこないし、背広のポケットにあった恋文も見てしまって」

「恋文……」


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