大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「はい。春江さんにお渡ししたら、大喜びでしたよ」
食事をしてくるとあらかじめ聞いていたので、春江さんにはもう帰ってもらっていた。
敏正さんの背広を預かりながら話を続ける。
「あの……。私、敏正さんより少し年上の男性に話しかけられてしまいまして。すみません」
富子が一方的に声をかけられただけなのだから浮気とは言わないと笑っていたが、彼女の旦那さまの話を聞いていたら隠し事はしたくないと思い始めて、正直に打ち明けた。
「はっ? それで?」
敏正さんの表情が険しくなるので背筋が伸びる。
やはりいけないことなの?
「カフェーに行こうと誘われましたが、夫に叱られますとお断りしました。……あっ」
焦ったような彼は、いきなり私を抱き寄せて深い溜息を落とす。
「はぁー、なにかあったかと肝をつぶしたよ」
「なにか、なんて。私に限ってございません」
食事をしてくるとあらかじめ聞いていたので、春江さんにはもう帰ってもらっていた。
敏正さんの背広を預かりながら話を続ける。
「あの……。私、敏正さんより少し年上の男性に話しかけられてしまいまして。すみません」
富子が一方的に声をかけられただけなのだから浮気とは言わないと笑っていたが、彼女の旦那さまの話を聞いていたら隠し事はしたくないと思い始めて、正直に打ち明けた。
「はっ? それで?」
敏正さんの表情が険しくなるので背筋が伸びる。
やはりいけないことなの?
「カフェーに行こうと誘われましたが、夫に叱られますとお断りしました。……あっ」
焦ったような彼は、いきなり私を抱き寄せて深い溜息を落とす。
「はぁー、なにかあったかと肝をつぶしたよ」
「なにか、なんて。私に限ってございません」