大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
自分の大きな心の変化に驚きつつも、これが恋というものかもしれないと考えながら目を閉じた。



その日を境に、私は自分をもっと磨こうと決意した。

私には、敏正さんに触れてもらえるだけの価値がないのかもしれないと感じたからだ。

それに、彼の目が他の女性に向かないように、私だけでいいと思ってもらえるように努力したいと考えた。


といっても、彼をつなぎとめておけるだけの色香を身に着ける方法など知らない。

三谷の家や女学校で、女性としての所作や、琴や書といったたしなみは教わったので、それなりにはこなせるつもり。

ただし、これ以上なにをすればいいのかさっぱりわからないのだ。


「郁子さま、最近元気がないようですが、体調がすぐれないのでは?」


廊下を雑巾がけしていると、春江さんが心配する。


「元気ですよ?」
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