大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
だからか、富子をはじめとして、輿入れした友人で働いている人は皆無なのに。


「あっ、でも私程度の知識ではご迷惑では?」

「誰だって最初からなんでもできるものではないよ。経理部には算術に明るい者がたくさんいるから、経理以外にも教えてもらえるはずだ。やる気さえあれば知識はいくらでも身につく。実戦で学んだほうが早い」


やる気だけはみなぎっている私は大きくうなずく。


「いつか三谷商店の経理を支えられたらと思っていたんです。でも父は女が働くのには反対で、ひたすら良家に嫁に行けと」

「父上くらいの年代だとそうだろうね。でもうちは女工たちの能力に支えられている会社だ。女性の勤勉さはよく知っているし、貪欲に学ぶ者が多いのも知っている。だから工員以外の事務仕事にも女性社員は多いと思うよ。中には女工からのし上がった者もいる」


それはすごい。

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