大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「すごい、ですね」
「かなりの投資をしたからさすがに緊張したけど、情報を丁寧に紐解けば未来が見える。しかし、紡績会社としてそちらを手広くというのもどうかという意見も出ていて、それならばいっそ三谷商店を大きくして、その事業を引き継げないかと」
なんて壮大な計画だろう。
私には難しくて口を挟む余地もない。
「私にはすごいとしか……。三谷商店にそんな未来があるなんて信じられないですけど、そうなればうれしいです」
「うん。まだ青写真だけどね。そうできるように尽力する。いろいろ根回しとかもあるから、帰りが遅くなる日もあるかもしれないけど、ごめんな」
「三谷のためにしてくださっているんですもの。私は平気ですから」
何気なく言うと、彼は私を凝視してなぜか怒ったように口をきつく結ぶ。
な、なに?
「そこは、寂しいです、じゃないのか?」
「え……?」
意外すぎる言葉に、目をキョロキョロさせる。