大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「そうじゃない。郁子の魅力に気づいた男が、万が一にもこうして触れたらと考えると、嫉妬で狂いそうになるんだ」


嫉妬? 私にそんな感情を持ってくださるの? 
彼が花街で娼妓に触れていたらと考えておかしくなりそうだった私と同じ?

真剣な告白がうれしくもあり、どこかホッとした。

私は思いきって、彼の背中に手を回して隙間をさらに詰める。

すると敏正さんは驚いたのか「ん?」と短い言葉を発したけれど、さらに強く抱きしめてくれた。


「私は敏正さんの妻です。皆さんご存じですから、そのようなことをされる方はいらっしゃいませんよ」

「それも、そうだな。はー、お前のこととなると途端に余裕がなくなる」


彼は私の髪を優しく撫で始める。


「郁子」
「はい」
「俺の妻になって後悔はないか?」


どうしてそんな質問が出てくるのだろう。
後悔など微塵もないのに。


「もちろんです。とても幸せです」
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