大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「吉原の菊乃(きくの)が、足抜けを見つかり捕まったとか。このままでは折檻されます」
「菊乃が!?」
目を丸くした敏正さんは、その遊女を知っている様子だ。
「すぐに向かいましょう。郁子、出かける」
「は、はい」
彼の迫力に気圧されて返事をしたものの、私の心は複雑だった。
夫が遊女のもとに駆けつけるのがうれしい妻がいるだろうか。
浴衣姿のまま出ていった敏正さんは、ひどく慌てていた。
「折檻って」
足抜けというのは、年季も明けておらず借金の返済も済んでいないのに吉原から逃げようとすることだ。
「大変ですわね。吉原の足抜けに対する罰はとても重いと聞きますし、ひどい場合それが原因で亡くなる事例もあるとか」
「亡くなる……」
以前敏正さんが『吉原に足を踏み入れた女が出る方法は三つしかない』と教えてくれた。
「菊乃が!?」
目を丸くした敏正さんは、その遊女を知っている様子だ。
「すぐに向かいましょう。郁子、出かける」
「は、はい」
彼の迫力に気圧されて返事をしたものの、私の心は複雑だった。
夫が遊女のもとに駆けつけるのがうれしい妻がいるだろうか。
浴衣姿のまま出ていった敏正さんは、ひどく慌てていた。
「折檻って」
足抜けというのは、年季も明けておらず借金の返済も済んでいないのに吉原から逃げようとすることだ。
「大変ですわね。吉原の足抜けに対する罰はとても重いと聞きますし、ひどい場合それが原因で亡くなる事例もあるとか」
「亡くなる……」
以前敏正さんが『吉原に足を踏み入れた女が出る方法は三つしかない』と教えてくれた。