大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「……優しい味ですね。また敏正さまが、郁子さまがお作りになったとお当てになりそうです。さ、あとはなににしましょうか」


楽しげに手を動かし始めた春江さんを見て、私も味噌を手に取った。



朝食は敏正さんと向き合って食した。


「郁子。顔色がまだ優れないね。本当に疲れただけか? 医者に診せたほうが――」

「平気です。ほら私、動いていないほうが調子が悪くなるんです。今日からお仕事にも行きますから」


彼の発言を遮り、早口で伝える。


「仕事は休みなさい。どうにでもなる」

「それはわかっています。でも、敏正さんの妻だからと甘えたくはありません。そもそも私がお願いしてやらせていただいているのですから」


たしかに人手が足りないとは感じた。

しかし、別のもっと有能な人物を雇えばよかったのにお願いして入れていただいたのだからきちんと働きたい。

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