大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
それに松尾さんが『女は男以上に頑張らないと、〝だから女は〟とすぐにほざく輩がいるの』と話していた。

きっと彼女はそうならないように努力を重ねているのに、私の行動がその努力を帳消ししてはならない。


「でも、誰だって調子の悪いときは休養するぞ?」
「もう大丈夫ですって」


お願い。私に余計なことを考える時間を与えないで。


「そう、か。お前がそんなに言うなら」


彼は渋々納得してくれた。



経理部ではひたすら検算に没頭した。

帳簿づけも少しずつ教えてはもらっているけれど、今は考える暇なくそろばんを弾いているのが一番いい。


「津田さん、ちょっと頑張りすぎじゃない?」
「はっ……」


松尾さんに指摘されて、ようやく手が止まった。

没頭していたら、いつの間にか出社してから三時間ほど経過している。


「どうかしたの? 眉間にシワが寄ってるけど」

「えっ? そうですか?」


あぁ、だめだ。
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