大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「郁子、誤解だ。先日の件は、いつも接待で世話になっている遊女の話なんだ。俺は、彼女はもちろん、他の遊女も買ったことは一度もない」
それを信じろと言うの?
私は彼の腕の中でいやいやと首を横に振って抵抗する。
「信じてほしいなんて勝手な言い分だな。でも事実なんだ。菊乃には遊郭に入る前から幼なじみの間夫がいて、でも農家の長男でとても遊郭に通う金がない。だから、こっそり手紙を届けてやったりもした」
彼は私を抱きしめたまま諭すように話す。
間夫は敏正さんではないの?
「しかし、身請けの話が持ち上がり……その前に一度でいいから会いたいと抜け出そうとしたんだ」
それが、失敗して捕まったあの日?
少し冷静さを取り戻してきた私は、彼の腕に包まれたままじっと耳をそばだてる。
それを信じろと言うの?
私は彼の腕の中でいやいやと首を横に振って抵抗する。
「信じてほしいなんて勝手な言い分だな。でも事実なんだ。菊乃には遊郭に入る前から幼なじみの間夫がいて、でも農家の長男でとても遊郭に通う金がない。だから、こっそり手紙を届けてやったりもした」
彼は私を抱きしめたまま諭すように話す。
間夫は敏正さんではないの?
「しかし、身請けの話が持ち上がり……その前に一度でいいから会いたいと抜け出そうとしたんだ」
それが、失敗して捕まったあの日?
少し冷静さを取り戻してきた私は、彼の腕に包まれたままじっと耳をそばだてる。