大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「それもある。ただ、それはあとづけだ。郁子への愛が先。お前に魅力がなければ、政略結婚なんていう提案も思いつきはしなかっただろう。しかもお前と夫婦になれて、ますます愛おしい気持ちが募っている」


敏正さんのひと言ひと言がうれしいと思う反面、すべてを信頼していいのかわからず激しく心が揺れる。


「それでは……」


私はそこで口をつぐんだ。
抱いてくれないのがどうしてなのか尋ねたいのに、勇気が出ない。


「どうした? 疑問や不満があるのなら全部吐き出して。俺は、郁子を失いたくない。絶対に」


私に切なげな視線を投げかける彼は、語気を強める。

ドクンドクンと大きな音を立て始めた心臓が、口から飛び出してきそうだ。


やはり、このままうやむやにしたまま一緒に暮らしていけない。

そう強く感じた私は、スーッと息を吸い込んでから口を開いた。


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