大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
やがて妓楼には灯りがともりはじめ、格子の向こうにずらりと遊女が並び始めた。
どこからともなく三味線の音も聞こえてくる。
ここで男は女を吟味し、買うのだ。
私も張見世で品定めされていたのかもしれないと考えると、息が詰まりそうになる。
「菊乃は見世には並ばない。なじみの客で埋まってしまうんだ。あの妓楼だ」
敏正さんはひときわ立派な妓楼に向かって足を進める。
そして私の手を強く握ったまま、妓楼の前に立った。
「津田の旦那。菊乃が首を長くして待っておりますよ」
用心棒だろうか。
随分体格のいい男が敏正さんに話しかけているが、その視線は私にくぎ付けだ。
遊郭に女連れで来る客などいないからだろう。
「少しわけありでね。あとから一橋がお客さまを連れてくるから、粗相のないようにしてくれ」
「承知しております。ささ、二階へどうぞ」
男は私の存在に首を傾げながらも案内してくれる。
どこからともなく三味線の音も聞こえてくる。
ここで男は女を吟味し、買うのだ。
私も張見世で品定めされていたのかもしれないと考えると、息が詰まりそうになる。
「菊乃は見世には並ばない。なじみの客で埋まってしまうんだ。あの妓楼だ」
敏正さんはひときわ立派な妓楼に向かって足を進める。
そして私の手を強く握ったまま、妓楼の前に立った。
「津田の旦那。菊乃が首を長くして待っておりますよ」
用心棒だろうか。
随分体格のいい男が敏正さんに話しかけているが、その視線は私にくぎ付けだ。
遊郭に女連れで来る客などいないからだろう。
「少しわけありでね。あとから一橋がお客さまを連れてくるから、粗相のないようにしてくれ」
「承知しております。ささ、二階へどうぞ」
男は私の存在に首を傾げながらも案内してくれる。