大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
奥の階段へと向かう間に、たくさんの遊女とすれ違った。
華やかな着物を纏い、髪にはたくさんの笄(こうがい)やかんざし。禿だろうか、そのうしろをついて回る幼い子もいる。
二階にはすでに客も入っており、笑い声や三味線の音が鳴り響いていた。
「菊乃さん、津田さまがいらっしゃいましたよ」
男が襖の向こうに声をかけると、スーッと開く。
禿が開けてくれたのだ。
「それではお楽しみください」
男はヘラヘラ笑いながら戻っていった。
敏正さんの背中に隠れたまま少し中を覗くと、真っ赤な紅を引いたとんでもなく色気漂う女性がこちらをじっと見ていた。
大きく開いた首筋が目を引く彼女は、紅紫色の生地に大輪の花々が散らされた色打掛けを羽織り、金糸で刺繍が施された立派な帯を前結びにしている。
「津田さま。おいでなんし。その節は、ありがとうござりんした」
華やかな着物を纏い、髪にはたくさんの笄(こうがい)やかんざし。禿だろうか、そのうしろをついて回る幼い子もいる。
二階にはすでに客も入っており、笑い声や三味線の音が鳴り響いていた。
「菊乃さん、津田さまがいらっしゃいましたよ」
男が襖の向こうに声をかけると、スーッと開く。
禿が開けてくれたのだ。
「それではお楽しみください」
男はヘラヘラ笑いながら戻っていった。
敏正さんの背中に隠れたまま少し中を覗くと、真っ赤な紅を引いたとんでもなく色気漂う女性がこちらをじっと見ていた。
大きく開いた首筋が目を引く彼女は、紅紫色の生地に大輪の花々が散らされた色打掛けを羽織り、金糸で刺繍が施された立派な帯を前結びにしている。
「津田さま。おいでなんし。その節は、ありがとうござりんした」