大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「安全な場所をいただいた私が言うのは失礼なのは承知しています。でも、言わせてください。菊乃さんの心にいらっしゃる方は、どんな形であれ生きていてほしいと望まれるはず。もしその方が菊乃さんのあとを追われたら、うれしいですか?」
問うと、彼女は当惑の表情を浮かべる。
間夫と心中という事態もあるようだ。
今世で結ばれないのならあの世でと考えるのだろう。
菊乃さんが絶望のあまり命さえ手放してもかまわないと考えた気持ちは、私にだってわかる。
けれども、彼女が亡くなれば、そのお相手も死を望むかもしれない。
彼女は命をかけても愛を貫きたいと想う相手を、死に引きずり込みたかったとはどうしても思えない。
敏正さんの窮地を何度も救ってくれた優しい人だから。
「あの人が、わちきのあとを?」
「愛情あふれる方だとお聞きしました。菊乃さんをひとりで逝かせたくないと思われても不思議ではないと」
問うと、彼女は当惑の表情を浮かべる。
間夫と心中という事態もあるようだ。
今世で結ばれないのならあの世でと考えるのだろう。
菊乃さんが絶望のあまり命さえ手放してもかまわないと考えた気持ちは、私にだってわかる。
けれども、彼女が亡くなれば、そのお相手も死を望むかもしれない。
彼女は命をかけても愛を貫きたいと想う相手を、死に引きずり込みたかったとはどうしても思えない。
敏正さんの窮地を何度も救ってくれた優しい人だから。
「あの人が、わちきのあとを?」
「愛情あふれる方だとお聞きしました。菊乃さんをひとりで逝かせたくないと思われても不思議ではないと」