大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
すると彼もまた切なげな表情で、しかし満足そうに何度も小さく頷いた。

私が贈ったネクタイを外した彼は、唇を重ねる。

何度も離れてはつながりを繰り返しているうちに、彼の舌が私の唇を割って入ってきた。


「ん……」
「鼻で息をしなさい。もっともっとつながりたい」


私の手を指を絡めて握る彼は、もう一度口づけを落とす。

最初は緊張のあまりぎこちなくしか対応できなかったのに、次第に体がとろとろに溶けてきて、いつしか口内でうごめく彼の舌を受け入れていた。


「あっ……」


襟元をグイッと開かれて尖らせた舌が首筋をツーッと下りていくと、はしたない声があふれてしまい慌てて口を手で押さえた。


「もっと声を聞かせて」

「い、いえっ」

「男は、女の悶える声に欲情するんだよ。恥ずかしくなんてない。俺も気持ちいいのだから」


敏正さんも?


「好きだ、郁子」


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