大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
興奮気味に訴えると、彼はクスクス笑っている。
「郁子は面白いね。表情がくるくる変わる」
「申し訳ありません。はしたないですね」
遠回しにチクリと刺されたかと思い頭を下げる。
父にはよく、もっとおしとやかにしなさいと叱られていたからだ。
「はしたない? 楽しいのに、なぜ謝る。さて、着替えたら飯だ」
「はい」
立派な家庭に育った敏正さんだけど、少しも堅苦しくなくて意外なくらいだ。
女学校の友人の家に何度もお邪魔したが、その家族の前では粗相をしないようにと緊張していたのに、その緊張すらさせてもらえない。
一旦二階に上がった私は滅紫(けしむらさき)色の生地に小豆色の縦縞が入ったモダンな着物に急いで着替えて、朝食を取った奥座敷へと向かった。
「春江さん、お手伝いもせず申し訳ありません」
廊下で春江さんに出くわしたので謝罪すると「私の仕事ですよ?」と笑われた。
「郁子は面白いね。表情がくるくる変わる」
「申し訳ありません。はしたないですね」
遠回しにチクリと刺されたかと思い頭を下げる。
父にはよく、もっとおしとやかにしなさいと叱られていたからだ。
「はしたない? 楽しいのに、なぜ謝る。さて、着替えたら飯だ」
「はい」
立派な家庭に育った敏正さんだけど、少しも堅苦しくなくて意外なくらいだ。
女学校の友人の家に何度もお邪魔したが、その家族の前では粗相をしないようにと緊張していたのに、その緊張すらさせてもらえない。
一旦二階に上がった私は滅紫(けしむらさき)色の生地に小豆色の縦縞が入ったモダンな着物に急いで着替えて、朝食を取った奥座敷へと向かった。
「春江さん、お手伝いもせず申し訳ありません」
廊下で春江さんに出くわしたので謝罪すると「私の仕事ですよ?」と笑われた。