大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「はい。お勉強は難しいときもありましたけど、新しいことを知るのは、こうワクワクして。女に学はいらないのはわかっていましたが、父が商売に四苦八苦しているのにはなんとなく勘づいていましたので、算術を身に着けたら手伝えないかと思っておりました」


女学校では裁縫や琴、書道といった〝よき妻〟になるための授業も多かったが、私は算術が好きだった。

算術が好きな生徒は珍しく、変わった人と言われていたけれど。


「立派な考えを持っていたんだね。それなのに辞めなくてはならなくなったのか」

「はい。あと一年で卒業でしたので、できれば通い続けたかったです。でも、退学して結婚していく人はたくさんいますし、私もそうなるかもしれないという覚悟はありました。退学の理由が変わってしまいましたが」


美人ほど早く見初められて結婚となる事例が多かった。

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