大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
女中が住み込みでないのは珍しいが、さすがに敏正さんとふたりで暮らすのは気が引けたのだとか。
敏正さんは「女中ではないのだから、家事はしなくていい」と反対したものの、何度もお願いしたら「お前も頑固だな」と笑って許してくれた。
朝はあまり食べないという敏正さんのためにおかゆをこしらえていると、春江さんが顔を出した。
「おはようございます。郁子さまは、お料理上手ですね」
「というほどでは。でも、嫌いではありません」
三谷家ではあまりしなかったものの、女中を減らしてからは手伝っていたので、少しはできる。
「郁子さまがここに来られてから、敏正さまが食事をすべて召し上がるようになったんですよ」
「お残しになられていたの?」
「はい。まあ、高級料理店の味をご存じですから、物足りないのかもしれません」
そうではない気がした私は、首を横に振る。
敏正さんは「女中ではないのだから、家事はしなくていい」と反対したものの、何度もお願いしたら「お前も頑固だな」と笑って許してくれた。
朝はあまり食べないという敏正さんのためにおかゆをこしらえていると、春江さんが顔を出した。
「おはようございます。郁子さまは、お料理上手ですね」
「というほどでは。でも、嫌いではありません」
三谷家ではあまりしなかったものの、女中を減らしてからは手伝っていたので、少しはできる。
「郁子さまがここに来られてから、敏正さまが食事をすべて召し上がるようになったんですよ」
「お残しになられていたの?」
「はい。まあ、高級料理店の味をご存じですから、物足りないのかもしれません」
そうではない気がした私は、首を横に振る。