大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「春江さんのお料理はおいしいといつもおっしゃっていますよ。外食は味が濃すぎると」
「まあ」


伝えると、春江さんの顔に喜びが広がる。


「おひとりで食べられていたんですよね。ひとりだと味気がなくて食欲が湧かなかっただけではないですか?」

「敏正さまも郁子さまもお優しくて、私は幸せ者です」

「私も幸せですよ」


三谷家のことは気になるけれど、ここでの生活はすこぶる順調で楽しい。


「ずっといてくださればいいのに」
「ありがとうございます」


そんなわけにはいかないと承知しているものの、春江さんの気持ちがうれしくて笑みがこぼれた。



朝食は敏正さんと一緒に。
彼は少し寝起きが悪く、朝はいつも浮かない顔をしている。


「敏正さん、箸が進んでいませんよ? たまご焼き、お口に合いませんか?」

「はっ。脳が寝ていた。いや、うまいよ。郁子が作ったんだろう?」


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