大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
なにやら胸騒ぎを感じるのは、食事の間、彼の心がここにあらずだったからだ。
春江さんにあとを頼み、軽快に階段を駆け上がる。
廊下の窓からふと空を見上げると、先ほどまで西の空を朱色に染めていた太陽が完全に沈み、空には星が瞬き始めていた。
一体、なにかしら……。
「郁子です」
私は彼の部屋の前で膝をつき、声をかけた。
するとスーッと障子が開く。
「入って」
「はい」
十二畳の部屋には、片隅に机と本棚が置かれているほかはあまり生活感がなく、殺風景だ。
すぐ隣の八畳の部屋には桐箪笥があり、彼の浴衣を取りに入ったことはあるものの、この部屋に足を踏み入れたのは初めてだった。
部屋の真ん中であぐらをかいた彼に差し出された座布団に座る。
こうして正面から向き合うと目力のある彼に気圧されてしまう。
食事のときより強い視線を送る敏正さんにたじろいでいた。
「あの……」
春江さんにあとを頼み、軽快に階段を駆け上がる。
廊下の窓からふと空を見上げると、先ほどまで西の空を朱色に染めていた太陽が完全に沈み、空には星が瞬き始めていた。
一体、なにかしら……。
「郁子です」
私は彼の部屋の前で膝をつき、声をかけた。
するとスーッと障子が開く。
「入って」
「はい」
十二畳の部屋には、片隅に机と本棚が置かれているほかはあまり生活感がなく、殺風景だ。
すぐ隣の八畳の部屋には桐箪笥があり、彼の浴衣を取りに入ったことはあるものの、この部屋に足を踏み入れたのは初めてだった。
部屋の真ん中であぐらをかいた彼に差し出された座布団に座る。
こうして正面から向き合うと目力のある彼に気圧されてしまう。
食事のときより強い視線を送る敏正さんにたじろいでいた。
「あの……」