大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
「どうせ敏正が勝手に言いだしたのだろう? 郁子さんのせいではないから大丈夫だよ」


ゆっくり顔を上げていくと「座って。食べながら話そうか」と椅子を勧められた。


西洋式にフォークやナイフが並べられていたが、レストランで食事をした経験はあるのでなんとかなりそうだ。

温かいスープが運ばれてきてじっとしていると「どうぞ」とお父さまに促されてスプーンでひと口。

これは豆のスープだわ。
あぁ、なんておいしいのかしら。


「同じ顔をしている」


お父さまが不思議な発言をするので視線を上げると、正面のお母さまも私と同じように目を細めていた。


「父上、笑わせないでください」

「母に似た女性を連れてくるものなのだなと感心していたんだよ。だが敏正。この結婚はただの結婚ではない。三谷家をよきほうに導くという責任を負わなければならないよ。無論、失敗は許されない」


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