Dear boy,Dear girl~ワケあり男子と秘密の同居生活~
今朝の味噌汁もおいしい。

俺は全部残さずたいらげて、顔を洗うと、さくらを呼んだ。

「おい。さくら。そろそろ家でないとだけど?」

さくらはすでにカバンを持ってリビングで待っていて、俺が呼ぶと玄関にぶすっとしたままやってきた。

「いってらっしゃい。」

スーツを着た真理子さんが玄関先で見送ってくれる。

父さんは10分ほど前に家を出ていた。

真理子さんも父さんと同じ職場で、そのまま働くらしい。
ただ、準社員らしく、出勤はちょっと遅めだ。

「いってきます。」

俺がいうと、仕方ないという風にさくらもつぶやいた。

「いってきます。」

結構小さな声だったけど、はじめて聞いたかと思うくらいの声だった。

ふうん。一応、しゃべれんじゃん。

さくらがそう言ったことが真理子さんにとってはかなりうれしかったらしく、一瞬めちゃくちゃうれしそうな表情を見せた。

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