五年越しの、君にキス。
◇
パーティー会場を抜け出したあと、伊祥は私をビルのさらに上層階にあるバーに連れて行った。
案内されたVIP専用個室の窓からは、街の夜景が見下ろせる。
「見て。すごい景色!」
遠くのほうに見えるスカイツリーを興奮気味に指さしたら、個室のドアが開いて、イチゴがのったホールケーキが運ばれてきた。
「梨良、お誕生日おめでとう」
伊祥からのサプライズに、驚きすぎで言葉が出ない。
サプライズケーキをふたりで分け合って食べたあと、それまでテーブルを挟んで向かい合うようにソファーに座っていた伊祥が、私の隣に座り直した。
「そろそろ戻って休もうか。遅くなるから、下のホテルの部屋押さえてる」
綺麗な夜景とサプライズのケーキ、それから少しのお酒によってふわふわとした気持ちでいると、伊祥が私の耳元にささやいた。
その言葉の意味をつい深読みしてしまった私の頬が、かぁっと朱に染まる。