五年越しの、君にキス。
パーティー会場では、既に集まった人たちがいくつかのグループに分かれて、アルコールの入ったグラスを片手に談笑し合っていた。
どちらかというと男性のほうが多い印象だけれど、そんななかで、華やかな色のドレスを身に纏った女性たちはみんな綺麗で。所作や立ち振る舞いも美しい。
まるで、お城の舞踏会にでも紛れ込んだみたいだ。
浮き足立った気持ちできょろきょろと落ち着きなく辺りを見回していると、会場内をさっと目視した伊祥が私を引っ張る。
そうして、真っ直ぐにどこかを目指して歩き始めた。
途中途中で何人かに声をかけられたけれど、伊祥はその人たちに笑顔で軽く会釈するだけで、一瞬たりとも立ち止まらない。
伊祥があまりにもたくさんの人の前を笑顔で素通りしていくから、隣を歩く私のほうが気になってしまって。申し訳ない気分になってきた。
「さっきからたくさん話しかけられてるけど、いいの?」
「いいよ。とりあえず、最低限必要な何人かにだけ挨拶しとけば大丈夫」
伊祥はそう言うと、その言葉通りに本当に数名の人にだけ声をかけていった。